TRAVEL

-開運の旅・東京-
早稲田~神田パワースポット巡り

リーガロイヤルホテル東京 都市センターホテルからはじまる旅

 身体や心がちょっと疲れた時、神社に行くとなんだか心が軽くなると感じたことはありませんか?

「新年から心晴れ晴れ日々を過ごしたい!」「運気を上げて2025年を良い年にしたい! 」と考えている方には、SNSでも話題のパワースポットと言われる神社巡りがおすすめです。

 今回は、縄文時代に作られた人形ひとがたの焼物「土偶」に魅せられ「土偶女子」として活動されている文筆家・こん亜紀子あきこさんに、財運が上がって、良い縁に出会えて、健康運もお忘れなく、、、という都合のいい願いを聞いてくれる神様を紹介してもらいます。「土偶は縄文時代の祈りの道具でしたし、遺跡があった跡に神社が建てられることも多い」とのことで、遺跡巡りの際には必ず神社にも立ち寄るそうです。

 思い立ったら吉日、さぁ、出かけてみませんか?

初詣には例年30万人以上の参拝者があるという、日本屈指のパワースポットの神田神社。煌びやかなずい神門しんもんは、昭和天皇御即位50年の記念事業として再建された。

水稲荷神社で耳欠け神狐に健康を願う

学生の街、早稲田の賑わいが気にならない閑静な神社で、本殿は厳かな雰囲気を醸し出している。

 新年の運気をアップさせるべく、パワースポット巡りの1ヶ所目に足を運んだのは、リーガロイヤルホテル東京の程近くにある水稲荷神社。早稲田大学との土地の交換により現在の場所に御遷座したという水稲荷神社は、そのご縁が作用しているのか早稲田大学入学祈願の霊験が顕著だということで、受験生を持つ方には見逃せないパワースポットです。

参道にはヤギの姿も。遠くから見ているだけで心が和む。

耳欠けお狐様。少し奥まった場所なので見逃さないようにしたい。

 水稲荷神社の鳥居をくぐると、凛々しい阿吽の稲荷が迎えてくれた。受験合格以外にも、開運、家内安全にご利益があるという神様に拝礼をして、ふと横を見ると、赤い鳥居の奥に水稲荷神社のシンボルともいえる耳欠けお狐様の躍動感あふれる姿が。なんでも、自分の体の具合が悪い場所とお狐様の同じところを撫でると痛みが和らぐと言われている。後ろ足をぴょんと跳ね上げた勢いのある姿に、それだけで病を蹴り飛ばしてくれる気がしてくるから不思議なものだ。地元の方と思しき女性も、耳欠けお狐様と対になっているお狐様の両方の顎を撫で、頭をさすり帰って行かれた。あまりに自然にお狐様を撫でる姿に、地元の人々に愛されている神社なのだと温かい気持ちになった。

清々しさに胸が震える穴八幡宮

厳かな雰囲気に包まれた拝殿。神様とゆっくり向き合うことができる。

 水稲荷神社を後にして次に向かったのは、「穴八幡さん」の名で親しまれる牛込高田鎮座 穴八幡宮。創建は1062(康平5)年と古く、奥州の乱を鎮圧した源義家によって氏神八幡宮を祀るために造られた社だ。水稲荷神社から10分ほど歩いて鳥居の前に到着。この日の東京の空は透き通るような青空で、朱塗りの鳥居がよく映える。脇に神社名物「一陽来復いちようらいふく御守」に関する看板が立てられていて、それを見るだけで気分が高揚してくる。というのも、ここ穴八幡宮で江戸時代中期から頒布され、金運や商売繁盛に大変ご利益があると伝わる「一陽来復御守」は、授与期間が毎年冬至から翌年の節分までという期間限定であることで広く知られている。その上、お札を祀るタイミングも年に3回のみ。祀る方角も年ごとに厳密に決められていて、私の周りでもその時期になると「祀ったよ」「毎年このタイミングだけは外せない!」という喜びの声が続々とSNSにアップされ、その熱気に驚くばかり。

あまりの美しさに立ち止まった鳥居。冬至以降、参拝者で溢れかえる。

根張りの凄さと悠々と伸びる枝の様子に心打たれた楠の大木。

 今回はその“特別な時期”ではないので、逆に神様とゆっくりと向き合うことができる。はやる気持ちを抑えながら鳥居をくぐり、階段を登って拝殿へ。階段を登りきると目の前に、どっしりと落ち着いた雰囲気の拝殿と楠の巨木が佇んでいた。大地にしっかりと根を下ろした楠の生命力あふれる姿に元気づけられ、大きく息を吸うと身体中が良い気で満たされていくようだ。「一陽来復」があまりに有名で、頒布時期の混雑に怯んでいたが、静かな時期の穴八幡宮も違った意味でパワーがみなぎる場所だった。

いろんな縁を結びたい!東京大神宮

写真提供:東京大神宮
都内にありながら凛とした雰囲気で、ここだけ違う空間のよう。

 地下鉄東西線早稲田駅から電車に乗り、次に向かった先は飯田橋にある東京大神宮。東京大神宮は「東京で縁結びと言えば一番に思い浮かべる」とも言われる神社で、1880(明治13)年、伊勢神宮の遥拝ようはい殿でんとして創建された。遥拝殿とは、遠く離れた場所から拝むために設けられた建物のことで、本来なら現地に参って拝礼するが、別の場所であっても現地で拝礼するのと同様のご利益があるとされている。御祭神はあまてらすすめ大神おおかみ豊受とようけの大神おおかみ倭比賣やまとひめのみことで、結びの働きを司る「造化の三神」もあわせて祀られているということなので行かない手はない。

 神社に着くと、吸い寄せられるように続々と参拝者が鳥居をくぐっていった。すでにその様子からパワーを感じ、俄然、私も前のめりに鳥居をくぐり本殿へと向かった。縁結びに絶大な効果があると言われているだけに、参拝者の多くは女性だが、仕事での良縁を求めてかスーツ姿の男性の姿もちらほらと。

「願い文」は、願い事や心に誓った事、感謝の気持ちなどをつづった神様へのお手紙。

「縁授守」は縁起の良い「えんじゅ」の木玉希少な「しけ絹」の袋におさめた縁結びのお守り。

 せっかくだから御守りをいただくことに。種類が非常に多く目移りしていると、隣の女性は目的の御守りを迷いなくいくつも選び、深々とお辞儀をしてその場を後にした。その姿を見て、「ここに集う皆にとって必要な縁が結ばれますように」と願わずにはいられない東京大神宮でのご参拝だった。

締めくくりは神田明神で神様からのエールを味方に良き1年を!

写真提供:神田神社
本殿のほかにも境内にはえびす様尊像や大国様尊像に稲荷神社や水神社などの神社があるので、参拝の際はぜひ境内を巡るのがおすすめ。

 パワースポット巡りの締めくくりは、正式名称「神田神社」の神田明神。JR飯田橋駅から総武線でJR御茶ノ水駅へ。そこから歩いて約5分、緩やかに下る本郷通り沿いに神田明神の大きな鳥居が現れた。

 神田明神は730(天平2)年創建と伝わり、天災や飢饉、疫病や戦禍など、江戸の地を襲う多くの困難や災難を人々とともに乗り越えてきた神社である。江戸時代から「江戸の総鎮守」と言われ、幕府のお役人から庶民まで、あらゆる人々に親しまれ崇敬されてきた。日はすでに傾きだしていましたが、多くの人々が鳥居をくぐり、総檜造りの美しい門を通ってまっすぐに伸びる本殿へと向かっていった。

清々しい気持ちでご挨拶。

神田明神特製「ジンジャーエール」と恋文みくじ。

どんな時間でも御守りを買うことができる「御守自動頒布機」 。

 本殿の前には人々が静かに拝礼の番を待っていた。私の番になり、無事にパワースポット巡りができたことへの感謝と、縁結び、仕事運上昇も合わせてお願いをした。神田明神は勝負運、商売繁盛、厄除け、家庭円満、縁結びと多くのご利益があるとされる。中でも勝負運のご利益が有名で、関ヶ原の戦いの際、徳川家康が戦勝祈願をしたところ神田祭の日に勝利したというから、勝負運がことさら有名なのは頷ける。

 私も“勝負運”にあやかって、めったに引かないおみくじを引くことに。「恋文みくじ」にチャレンジしたところ、見事に大吉!! 1日神社を巡り、神様たちにご挨拶とお願いをしてきたご利益に違いない。

 年の始まりに、さまざまなご利益があるパワースポットを巡り気持ちをリフレッシュさせて、今年もあたりまえの日々を大切に過ごしていこうと思った。

【DATA】

水稲荷神社

水と緑の鎮守、日本稲荷古社の随一として知られている。旧暦の初午祭では初午御歩射祭が催行され、節分祭や夏の納涼盆踊り、9月の例大祭など季節ごとのお祭りも一年を通して行われ、地元の人たちの崇敬も篤い。

東京都新宿区西早稲田3-5-43

TEL 03-3200-4621

リーガロイヤルホテル東京から徒歩約5分


【DATA】

牛込高田鎮座 穴八幡宮

蟲封じ、商売繁盛、出世、開運にご利益があるといわれている神社。創建は1062(康平5)年、奥州から凱旋途中の源義家が、兜と太刀を納め八幡神を祀ったことから始まる。江戸時代から頒布されている「一陽来復御守」は、金銀融通のお守りとして広く崇敬を集めている。

東京都新宿区西早稲田2-1-11

TEL 03-3203-7212

リーガロイヤルホテル東京から徒歩約10分


【DATA】

東京大神宮

東京にいながらも“お伊勢参り”ができるようにと、1880(明治13)年に日比谷に創建。当初は「日比谷大神宮」と称されていたが、1923(大正12)年の関東大震災により、現在の飯田橋に移り戦後に「東京大神宮」と改名され、“東京のお伊勢さま”として広く親しまれている。

東京都千代田区富士見2-4-1

TEL 03-3262-3566

JR・東京メトロ飯田橋駅より徒歩約5分

 

【DATA】

神田神社(神田明神)

神田、日本橋、秋葉原、大手町・丸の内など、108の町々の総氏神。豊穣や縁結びの神とされる大国様、漁業と商売の神様・えびす様、平将門が祀られ、商売繁昌、縁結び、開運を祈願する人々で賑わう。奇数年の5月には、日本三大祭の一つ「神田祭」が開催され、日本橋や大手町などを数千人の大行列が巡行する。

千代田区外神田2-16-2

TEL 03-3254-0753

JR御茶ノ水駅より徒歩約5分

-旅する人―

 譽田 亜紀子さん

文筆家。岐阜県生まれ。2009年に偶然「土偶」と出合い、以降、各地の博物館や遺跡を訪ね歩き、土偶、遺跡などの研究を重ねている。パワースポット巡りは遺跡巡りよりも歴は古く、一番好きな神社は三重県にある瀧原宮。著書に『知られざる縄文ライフ』(2017年、誠文堂新光社)『土偶界へようこそ』(2017年、山川出版社)『縄文のヒミツ』(2018年、小学館)他多数。近著に『こんだあきこの わたしの偏愛遺跡旅』(2024、新泉社)がある。

※特に記載のない場合、料金は税金・サービス料を含みます。
※各施設、営業時間に変更のある場合がございます。

Share
Like