浜離宮 六義園 お江戸の名庭で桜を愛でる
※当記事は冊子『The ROYAL』2016年春号でご紹介した内容です。商品やサービスの内容・料金は変更になっている場合があります。
リーガロイヤルホテル東京からはじまる旅
ついに美しい春がやってきました。春の象徴といえば、桜。今回は神田川沿いの桜が美しいリーガロイヤルホテル東京を拠点として、江戸時代に造園された花の名庭を中心に、華やかな銀座界隈や、アカデミックな薫り漂う駒込という2つのエリアを編集者の森本亮子さんが巡りました。
(写真/竹之内 祐幸)
桜、皇居、和文具‥。銀座周辺で「春」を満喫
桜を愛でる旅、まずはポピュラーな桜の名所からスタートしよう。
「浜離宮」はかつて“浜御殿”と呼ばれた将軍家の別邸で、海水の池を持つ珍しいタイプの大名庭園。“潮入の池”周辺で咲き誇る桜の後ろには、汐留のビル群がそびえ、「東京の真ん中にいる」と実感する景色だ。振り返ればレインボーブリッジやお台場を望む東京湾。一角に残る“将軍お上がり場”に「お殿様も桜を愛でたかな?」と思いをはせる。
6代将軍・家宣が植えたとされる樹齢300年以上の黒松も力強くアーティステイック。見どころが多く、あっという間に時が過ぎていた。
さて、銀座8丁目まで10分ほど歩こう。お目当ては、和文具と江戸指物の老舗「平つか」。木版刷りの和紙製品は全てオリジナルで、「平つか好み」といわれる抑制のきいた美が魅力だ。かたばみの家紋をあしらった定番のほか、季節の商品は100を超えるそう。桜のはがきを買い求め、大切な人に手紙をしたためたくなった。
好々爺然とした店主・平塚彦太郎さんは、生粋の銀座っ子。余裕があれば、街の話とともに、版木がすり減ってもう作れない過去の作品集を見せてもらえるかもしれない。洗練された“平つかワールド”と昔の職人の高い技術に目を見張る。常連には書道やお茶の先生など、粋な心遣いの達人も多いのだとか。美意識を養える場所だ。
次は丸の内の「出光美術館」へ。都内屈指の東洋古美術コレクションを誇り、4月9日からは「開館50周年記念展」を開催。目玉は10年ぶりとなる国宝「伴大納言絵巻」の特別展示で、教科書に載っていた名作を見られるチャンスだ。
もう1つのお楽しみが、ロビーからの皇居の眺め。四季折々の風景が広がる窓は1枚の絵のよう。セルフサービスの緑茶とともに借景を堪能しよう。また、ミュージアムショップで販売している、コレクション1号作品・仙厓の「指月布袋」グッズも見逃せない。愉快な表情に癒やされるはず。
「リーガロイヤルホテル東京」に戻り、ガーデンラウンジにてひと息つく。窓越しには、大隈庭園の緑が広がり、美味しいケーキをいただきながら至福の時が流れた。
【DATA】
浜離宮恩賜庭園
東京都中央区浜離宮庭園1-1
TEL 03-3541-0200(浜離宮恩賜庭園サービスセンター)
9:00~17:00(3/26~5/8は~18:00)
(入園は閉園の30分前まで)
「中島の御茶屋」と「濱見世」は9:00~16:30
入園料:一般¥300、65歳以上¥150
小学生以下および都内在住・在学の中学生は無料
※みどりの日(5/4)と都民の日(10/1)は無料公開
平つか
東京都中央区銀座8-7-6
TEL 03-3571-1684
11:00~18:00
日曜、祝日休
出光美術館
東京都千代田区丸の内3-1-1帝劇ビル9階
TEL 050-5541-8600 (展覧会案内)
入館料:一般¥1,000、高・大学生¥700
(中学生以下は無料 ※保護者の同伴が必要)
10:00~17:00、毎週金曜~19:00(入館は閉館の30分前まで)
月曜(祝日の場合は開館)、年末年始、展示替期間 休
都心のオアシスへ ショートトリップ
「六義園」は5代将軍徳川綱吉の寵臣・柳沢吉保が造った日本庭園。今回の主役は見事な枝ぶりのしだれ桜。毎年訪れるコアなファンが多く、ライトアップ時期には大行列ができる人気ぶりだ。桜色が優しく映る昼、艶やかに浮かび上がる夜と豊かな表情を見せる。
お屋敷街・大和郷にあって、園内は驚くほど静か。手入れの行き届いた庭園はまきに“都会のオアシス”だ。
明治期に三菱の創業者・岩崎彌太郎の別邸となった六義園だが、目と鼻の先にある「東洋文庫」は、息子の久彌が約90年前に設立した東洋学の専門図書館を兼ねた研究所。モダンなミュージアムでは圧巻の“モリソン書庫”や約100万冊の蔵書を用いた個性あふれる企画展など、知的好奇心がくすぐられる。
さて、外せないのがお花見スイーツ。
「御菓子司中里」の“揚最中”は、1日に800個が売れる駒込銘菓で、「春は六義園とセットで来られる方が多いです」と5代目店主・鈴木俊さん。最高級太白ゴマ油で揚げているから香り高いのに軽やか。焼き塩の旨みと小倉餡の甘じょっぱい調和が後をひく。花見用とみやげ用を確保したい。
“都心らしさ”を味わう浜離宮の桜と“通”な六義園の桜。2つの桜を愛でて、春爛漫の東京を満喫したい。
【DATA】
六義園(りくぎえん)
東京都文京区本駒込6-16-3
TEL 03-3941-2222(六義園サービスセンター)
入園料:一般¥300、65歳以上¥150
小学生以下および都内在住・在学の中学生は無料
9:00~17:00(入園は閉園の30分前まで)
※みどりの日(5/4)と都民の日(10/1)は無料公開
東洋文庫ミュージアム
東京都文京区本駒込2-28-21
TEL 03-3942-0280
入館料:大人¥900、中高生¥600
10:00~19:00(閲覧室は9:30~16:30)(入館は閉館の30分前まで)
火曜(祝日の場合は翌平日)、年末年始、展示替期間 休
※「六義園」とのお得なコンビチケットも販売
御菓子司中里
東京都北区中里1-6-11
TEL 03-3823-2571
10:00~18:00
(土曜・祝日~17:00)日曜休 ※臨時休業あり
Sightseeing
【リーガロイヤルホテル東京 周辺観光】
リーガロイヤルホテル東京に泊まり パワースポットと神田川のお花見散歩。
清らかな水パワーのご利益あり!
水稲荷神社
日本の稲荷古社の随一といわれ、以前は「冨塚稲荷」と呼ばれていたが、水が湧き出たことをきっかけに改名。この霊水で眼を洗ったら眼病が治ったと伝わり、眼病、水商売、消防の神様として有名。また、敷地内に耳欠け神狐の像があり、自分の体で痛いところと同じ部分をさすると完治するといわれ信仰を集めている。
早稲田の氏神でもあり、早稲田大学合格祈願に訪れる人も多い。合格祈願のお守りは郵送で取り寄せることもできる。
水稲荷神社
東京都新宿区西早稲田3-5-43
TEL 03-3200-4621
拝観自由
閑静な庭園で桜を楽しむ
肥後細川庭園(新江戸川公園)
江戸時代末期に熊本藩主、細川家の本邸として使われた後、昭和30年代に公園として整備、公開される。中央には池を配した回遊式泉水庭園もあり、池を挟んで背景として観る桜は圧巻。そばの神田川の遊歩道は、桜の名所として知られ、春には多くの人で賑わう。2017(平成29)年3月に「肥後細川庭園」に名称を変更。
肥後細川庭園(新江戸川公園)
東京都文京区目白台1-1-22