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参拝だけじゃもったいない、大阪開運の旅

 神社は訪れるだけでも心が浄化され、運気をチャージできる “パワースポット”とされて、大阪には親しみをこめて「〇〇さん」と呼ばれ続けている神社が数多くあります。

 今回は、御朱印帳のデザインを手がけるなど、神社とご縁の深いイラストレーターの千秋 育子せんしゅう やすこさんに、大阪にある最強の神社を詳しく紹介してもらいましょう。

 そろそろ初詣をどこで祈願するかを考えている方、必見です!

あっちもこっちもパワースポットの宝庫!【住吉大社】

住吉大社の本殿拝観前にくぐる鳥居は柱が円柱ではなく四角柱であるのが特徴で、角鳥居とも呼ばれています。 

 まず、最初にご紹介するのは、全国約2,300社ある住吉神社の総本社で、「すみよっさん」の愛称で親しまれている「住吉大社」です。祖父母が住吉に住んでいたので、私にとっては小さい頃に祖父とよく訪れた、思い出深い神社です。

 南海本線の「住吉大社」駅で下車すると目の前が住吉大社で、空の青、木々の緑、そして橋や本殿の朱色が目に飛び込んできます。まるで絵葉書のような美しさに目を奪われながら、大きく深呼吸をして “良い気”を全身に浴びましょう。

 歩みを進めると、「反橋そりはし」が現れます。朱塗りの欄干部分が池の水面に反射して映ると円のようになり、まるで太鼓のように見えるので「太鼓橋たいこばし」とも呼ばれ、渡るだけで「お祓い」になるそうです。

昭和30年頃までの橋は足をかけるための穴が空いていただけで、その穴から池が見えたそうです。
川端康成の小説『反橋』は、住吉大社の反橋を舞台としたもので、橋のたもとには川端康成の文学碑があります。

 本殿は、「住吉造すみよしづくり」と称される神社建築史上最古の様式の一つで、第一本宮から第四本宮までの4つの本宮があり、すべて国宝に指定されています。大阪湾がある西を向く珍しい配列になっていて、これは住吉大社が航海の守護神として、古くは朝廷からも崇敬されていた神社でもあったことに所以するようです。

写真提供/住吉大社
4つの本殿はローマ字のLのような形に並んでいて、一番奥が底筒男命そこつつのおのみことを祀る第一本宮、その次が中筒男命なかつつのおのみことを祀る第二本宮、手前が表筒男命うわつつのおのみことを祀る第三本宮。そしてその右隣に息長足姫命おきなながたらしひめのみこと(神功皇后)を祀る第四本宮が並びます。
遣唐使が唐へ出航する前に航海の無事を祈願したという伝承もあり、境内には「遣唐使 進発 の地」と記された石碑もあります。

 以前、東京の釣り好きの友人に「住吉大社の釣人守を買ってきてほしい」と頼まれたことを思い出し、授与所を覗いてみると、、、「釣人守」を発見。魚の形をした珍しい御守は、釣りの時にケガや事故に遭わないように守ってくれるというもので、釣人の間ではかなり有名なんだそう。

釣人守は、低層、中層、表層、餌木守護と釣る魚に合わせて選べるようになっています。
「大漁祈願 釣人守護」は本物のルアーが使われていますが、これは御守なので、決して釣りには使わないように!

 次に御守つながりでご紹介したいのが「五大力石守ごだいりきいしまもり」です。約1,800年前に住吉大神鎮座の際に最初にお祀りされた「五所御前ごしょごぜん」という神聖な場所で、「五」「大」「力」の文字が書かれた小石を探し拾います。3つ見つけられたら、授与所に持っていき専用御守袋を授与して御守にすると願いが叶うとされています。五大力とは体力・智力・財力・福力・寿力のことで、小石を探すというお楽しみ付きの御守です。

「五大力石守」の案内看板には「パワースポット」という文字が!
五所御前の杉の根元には玉砂利が敷きつめられていて柵の隙間から手を伸ばして石を探します。
「五」「大」「力」の文字が墨で書かれた小石を発見。

 さらに奥へ進むと、土日には行列ができるという人気スポットが。願い事が叶うかどうかを占う霊石、大歳社おおとししゃの「おもかる石」です。占い方はまず石を持ち上げ願い事をして、もう一度石を持ち上げます。2回目に持ち上げた方が軽く感じればその願いは叶うと言います。来る新しい年の運だめしにぜひ、チャレンジしてみてください。

おもかる石は全部で3つあるので、1つに絞って占うもよし、「3度目の正直」と3つ全ての石で占うことも出来ます。

 最後にかみしもを着た愛らしい猫の置物が人気の「初辰はつたつ参り」をご紹介しましょう。毎月最初の辰の日に、末社(種貸社たねかししゃ楠珺なんくん社、大歳社、浅澤社)を順にお参りします。毎月1回、4年間で48回お参りすると「しじゅうはったつ=始終発達」となり、縁起の良い語呂合わせによって、良いことが一生続くと言われています。また、楠珺社で祀られている招福猫も小猫48体集めると満願成就の証として中猫に、さらに中猫2体と小猫48体集めたら大猫に交換、とステップアップ。集め始めると夢中になりますよ!

楠珺社では奇数月は家内安全の左手を、偶数月には商売繁盛の右手を挙げた招福猫を授与。

十日戎だけじゃない平日も見どころ満載 【今宮戎神社】

今宮戎神社の鳥居は左右に小さな鳥居が付いている「三ツ鳥居」というもので、全国的にもとても珍しい鳥居です。

 「商売繁昌じゃ笹もってこい」の十日戎のお囃子で有名な今宮戎神社は、大阪メトロ「恵美須町」駅から歩いて数分のところにあり、2026年4月にオープン予定のリーガロイヤルホテルズの「アンカード・バイ・リーガ 大阪なんば」とは目と鼻の先の距離です。

 今宮戎神社は西暦600年創建で、最強の“福の神”として崇められている、七福神の1柱である「えびす様」を祀る神社です。遅くとも平安の頃より市場の守り神として崇敬されてきたえびす様(御神名:事代主命)は、鯛と釣り竿を持っていることからも想像できるとおり、「漁業の神様」としても信仰されてきました。七福神信仰が庶民にも広がった江戸時代には、商売繁昌の祭りとして有名な十日戎の参拝者が福笹を持って歩く現世と変わらぬ風景を江戸期の浮世絵からも垣間見ることができます。ひと駅隣の南海電鉄「なんば」駅から歩いても約15分。グリコの看板で有名な戎橋の名前は、今宮戎神社の参詣道だということが由来だそうです。

「浮世絵浪花名所今宮十日戎」より。十日戎に出かけて福笹を持つ参拝者が描かれています。
写真提供/今宮戎神社
1月9~11日の十日戎では約100万人の参拝者が訪れます。
写真提供/今宮戎神社
十日戎の福笹に付ける「吉兆」は、あわびのし、銭袋、小判、打ち出の小槌、米俵、鯛などをひとまとめにしたもので、「野の幸」「山の幸」「海の幸」を象徴しています。

 商人の街として栄えた大阪では「十日戎はお正月よりも盛り上がる!」とも言われ、私もかかさず十日戎は参拝していて、2025年から提灯の奉納もさせてもらっています。宝恵籠行列が斎行されたり、小宝・吉兆類を結んだ福笹を授かったり、十日戎の三日間は大阪ミナミの街全体が活気に溢れます。

自分の名前が入った提灯が奉納されているのを見て気分も上がります。献灯には定員があり、残念ながら現在(2025年11月取材時)は満員で受付けていないとのことです。

 十日戎の時には賑わう境内も、普段は都会の真ん中とは思えないほど静かな時間が流れています。本殿をお参りしたら、ぜひ、授与所にお立ち寄りを。今宮戎神社には、「えびす様」(事代主命)の商売繁昌・福徳円満のご利益を授かれる、ここでしか手に入らないお守りがいくつもあります。中でも黄金に輝く「金運守」は、お財布などに入れやすいカードタイプで、福笹の吉兆が描かれていて、持っているだけでも縁起が良さそうです。

一番人気の「金運守」は24金鍍金加工のクレジットカードサイズ。
名前や願い事を他人に見られるのはちょっと、、、という声から、カラフルな巾着に入れて絵馬を奉納してもらうことにしたという「円満成就絵馬」。これなら安心!

 また、最近は神社を参拝した証や記念として、御朱印集めをする人が増えています。ここの御朱印は、真ん中にドン!と「えびす大神」と書かれていて迫力があり、御朱印の右上には、「鯛の印」が。干支や十日戎、四季折々の限定御朱印もあり、いずれの御朱印も金箔の“えべっさん”がキラキラと輝き、素敵な旅の記念になりそうです。

写真提供/今宮戎神社
通常の御朱印は、元旦~節分などの繁忙期以外は御朱印帳に直書きしてもらえます。
写真提供/今宮戎神社
秋限定の御朱印は3色の箔をちりばめて紅葉やどんぐりを持っているリスを描いた豪華なもの。

 お帰りの前には、ぜひ本殿の裏へ回って「裏参り」をしてください。これは、竹柵の奥にある銀色のドラを叩いて再度お願いをすることで、「えべっさんは耳が悪いからドラを叩いてお願いをする」という説もありますが、これは俗説で、江戸時代から船場の商人たちが本殿をお参りした後、「念押し」の意味を込めて再度、裏でお祈りをしていた風習から始まったようです。

 賑やかな十日戎はもちろんのこと、御守や御朱印を選んだり、裏参りをしたり、、、心穏やかに平日ゆっくりと参拝するのもおすすめです。

ドラの前で“裏参り”のお話を伺った今宮戎神社の権禰宜(ごんねぎ)、大恵 康弘さんと竹内 健雄さん。1月5日~15日の期間は銅鑼を封鎖しているのでご注意を。

勉強も恋愛も、そしてお腹も満たしてくれる 【大阪天満宮】

写真提供/大阪天満宮
2027(令和9)年は延喜3年に菅原道真公が薨去(こうきょ)されてから1125年に当たり、その年に向けて、現在、御本殿御屋根の葺き替え工事中ですが参拝は可能です。

 最後のパワースポットとしてご紹介するのは、日本三大祭の「天神祭」で有名な大阪天満宮です。起源は、境内で最も古い歴史を持つ大将軍社と伝わります。

御祭神である菅原道真公が太宰府へ左遷される旅の途中に立ち寄って参拝した大将軍社。道真公が薨去されてから約50年後、大将軍社の前に一夜にして七本の松が生えて夜毎にその梢を光らせました。このことをお聞きになった村上天皇が道真公の霊をお祀りされたのが大阪天満宮の起源になります。

 道真公は平安時代の貴族の一人で、幼い頃から神童と呼ばれるほど学問に長けていたと言われます。なので、大阪天満宮は受験生やその保護者にとっては合格祈願や学業成就を祈願する神社としてその名は全国区。授与所では、さまざまな合格祈願の御守が揃います。

 その中で、「星合池ほしあいのいけの願い玉」と書かれた木の玉がありました。

通り抜け鉛筆」は、この鉛筆で勉強して試験を受けると“通る”と信じられている受験生の必須アイテム。
授与所で初穂料を納めて願い玉を3個頂いて、いざ星合池へ!

 星合池には梅の花の形をした的が浮かんでいます。花弁の色が赤(良縁)、黄(商売繁盛)、白(健康)、青(芸能武術)、緑(合格)、金(万願成就)となり、叶えたい花びらの色をめがけて「願い玉」を投げて、うまく乗れば叶うと伝わります。欲張りな私は金(万願成就)の花弁めがけて「えい!」と投げてみると、的に外れて池にポチャリ。2個目もうまくいかず、最後の玉だけ花弁の真ん中に乗りました。「これは全部叶うということよね」と都合の良いように解釈することにしました。

運試しができる星合池は、「愛嬌橋」とも言われ、橋の上で出会った男女は結ばれると伝わるラブ運スポットでもあるのです。
境内に店を構える星合茶寮。受験生はもちろん、“すべりたくない”という芸人さんにも親しまれているそうです。
薄味の出汁の風味とのど越しの良い麺が特長のおうどん。写真は、お揚げや練り天がトッピングされた「天神ぎつねうどん」。

 最後に合格祈願でハズせない星合茶寮にお立ち寄りを。ここのうどんは「すべらんうどん」と呼ばれ、麺に縦の切れ込みが入っているので、箸を通しても滑り落ちないから「すべらない」と受験生に人気の合格フードです。持ち帰り用の乾麺もあるので、受験生のお夜食に買って帰る人が多いそうです。

 ご紹介した3つの神社は、最強のパワースポットであることはもちろん、さまざまないわれを知りながら巡ることができます。ご自身に合った神社を選んで、ぜひ、新年、幸先の良いスタートをきってください。

取材・文・イラスト/千秋 育子

リーガロイヤルホテル大阪
ヴィニェット コレクション

TEL 06-6448-1121

大阪市北区中之島 5-3-68

リーガプレイス肥後橋

TEL 06-6447-1122

大阪市西区江戸堀1丁目13-10

アンカード・バイ・リーガ 大阪なんば(2026年4月開業)

TEL 06-6644-1121(アンカード・バイ・リーガ 大阪なんば 開業準備室(経営企画部内))

大阪府大阪市浪速区日本橋5-6-16

【DATA】
住吉大社
大阪市住吉区住吉2-9-89
TEL 06-6675-3591
リーガロイヤルホテル大阪のシャトルバスでJR「大阪」駅へ、環状線でJR「新今宮」駅。南海「新今宮」駅から「住吉大社」駅へ、東へ徒歩約3分。

 

今宮戎神社
大阪市浪速区恵美須西1-6-10
TEL 06-6643-0150
リーガロイヤルホテル大阪のシャトルバスでJR「大阪」駅へ、環状線でJR「新今宮」駅。南海高野線「新今宮」駅から「今宮戎」駅、下車後東へすぐ。

 

大阪天満宮
大阪市北区天神橋2-1-8
TEL 06-6353-0025
リーガロイヤルホテル大阪から京阪「中之島」駅から「なにわ橋」駅へ、北東へ徒歩約12分。

ー 旅する人 ー

千秋 育子さん

大阪府出身。デザイン学校を卒業し20歳の時、自分の絵が広告に使われたことを機にフリーのイラストレーターの世界へ。書道七段の腕を生かした独自のタッチと色彩感覚を存分に発揮し、1990年代までは雑誌や広告、2000年以降はヤクルトのアート自動販売機や松任谷由実のコンサートグッズ、御朱印帳のデザインや奈良県の信貴山朝護孫子寺や岡山県の清水せいすい寺の御朱印も手がける。最近では、淡路島西海岸エリアのロゴやイラスト、いかりスーパーマーケットPBのイラストに加え、シンガポールやメルボルンやマニラなど海外にも活動拠点を広げている。

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