TRAVEL

春の陽気に誘われて 大阪・花めぐりの旅

リーガロイヤルホテル(大阪)からはじまる旅

 暖かい日と寒い日を繰り返しながら少しずつ春に近づいています。桜のつぼみもふくらみ、開花の知らせも届くようになりました。

 今年の春は、リーガロイヤルホテル(大阪)を起点に大阪の花の名所を訪れ、春を満喫しませんか?

 大阪城公園の桜にリーガロイヤルホテル(大阪)からほど近い中之島公園のバラ、福島区では紫のカーテンのような見事な藤を見ることができます。

 今回は、大阪在住のライター・関 真弓さんに、春のおすすめ花めぐりの旅を案内してもらいます。

写真提供:(公財)大阪観光局

「太閤気分」を味わえる大阪城公園の桜

 肌を刺すような冷たい風がぬるみ、日一日と暖かさを増す3月下旬。待ちに待った桜の季節が訪れます。数多くの桜の名所がある大阪ですが、やはり一番に訪れたいのが国内外から多くの観光客が訪れる大阪城。巨大な石垣や数々の重要文化財など見所満載の大阪城周辺は約105ヘクタールの敷地面積を誇る公園となっていて、約3,000本の桜が咲き乱れます。

 中でも桜の名所として名高いのが西の丸庭園。気象台が桜の開花状況を観測するために定めた大阪府の桜の標本木が植えられていることでも知られる広さ約6.5ヘクタールの庭園には、ソメイヨシノを中心に約300本の桜の木があり、天守閣を借景にしてのお花見は「太閤気分」を味わうことができます。

 西の丸庭園は桜の時期、夜間のライトアップが行われ、夜桜も楽しめます。夜空に浮かび上がる天守閣と妖艶な夜桜のコントラストもまた、大阪でしか見ることができない桜の風景です。

 大阪城公園は、西の丸庭園以外にも桜の見所が盛り沢山。南外堀や東外堀沿いのお堀端にはあふれんばかりに桜が咲き、水面にその姿が映る様子はため息が出るほどの華やかさです。

 今年の春は、大阪ならではの桜が満喫できる大阪城公園に、出掛けてみませんか。

大阪城公園

大阪府大阪市中央区大阪城
お問い合わせ:大阪城パークセンター
TEL 06-6755-4146
9:00~17:30

【西の丸庭園観桜ナイター】

西の丸庭園(3月下旬~4月上旬 ※観桜期に合わせて)
入園料 ¥350(高校生以上)
9:00~21:00(入園は30分前まで)※ライトアップは18:00頃~
期間中は無休

江戸時代の三大名所のひとつ、「野田の藤」を訪ねて

写真提供:野田コミュニティセンター

 桜が散ると、4月中旬 から藤の季節。紫の豊かな花房が目を楽しませてくれます。2024年に発行される新五千円札の図柄にもなるこの花の標準和名は「ノダフジ」。リーガロイヤルホテルの北西、野田(大阪市福島区)が古くから藤の名所として知られていたことにちなみます。

 足利尊氏の息子で室町幕府二代将軍、足利義詮よしあきらが1364(貞治じょうじ3)年、住吉大社の参詣途中にこの地を訪れた際、「のだふじ」を見て詠んだ和歌「いにしえの ゆかりを今も 紫の ふじなみかかる 野田の玉川」で、「のだふじ」の名声は天下に知れ渡りました。豊臣秀吉も藤の花見に訪れ、茶会を開いたと伝えられています。

 江戸時代中期には、大坂を訪れた商人や武士が「のだふじ」を土産として持ち帰るようになり、全国各地に藤の名所が生まれます。「吉野の桜(奈良県)、野田の藤(大阪府)、高雄の紅葉(京都府)」は三大名所と呼ばれ、藤の季節には多くの人が野田を訪れました。

 明治以降は土地の開発が進むとともに「のだふじ」は次第に姿を消し、1945(昭和20)年の空襲によってほぼ全滅してしまいます。しかし、地域の人々が「のだふじ」再生運動を行い、福島区は区の花に制定。今では区内のあちこちに「のだふじ」の名所があります。

 全国に広まった藤のルーツ、「のだふじ」を追って野田界隈をゆっくり散策されてはいかがでしょう。

のだふじの見頃など詳しい情報は福島区ホームページの「のだふじコーナー」をご覧ください。

お問い合わせ:大阪市福島区役所 企画総務課企画推進グループ
TEL 06-6464-9683

300種類以上のバラが咲き誇る「中之島バラ園」

写真提供:(公財)大阪観光局 メアリー ローズ

 藤の花が終わりを告げると、いよいよバラの季節。リーガロイヤルホテル(大阪)から土佐堀川沿いに東に向かえば、大阪市内でも有数のバラの名所・中之島公園のバラ園に到着します。

堂島川と土佐堀川の間に位置する中之島公園は1891(明治24)年、大阪市で初めて整備された公園です。全長約1.5キロ、面積10.6ヘクタールの中之島公園は都心のオアシスとして知られ、国の重要文化財に指定されている大阪市中央公会堂や大阪府立中之島図書館、世界的に有名なコレクションを持つ大阪市立東洋陶磁美術館(2023年秋まで休館)などもあり、大阪を代表する観光・散策スポットです。

 公園の東側に位置するバラ園は5月上旬から中旬が見頃。約310種、3,700株のバラが咲き誇る姿は圧巻です。

 中心部のパッチワーク式花壇は、1867(慶応3)年以降に作出されたバラが年代別に植えられ、バラが時代とともにどのように変化していくのか、バラの歴史を辿れます。

ピエール ドゥ ロンサール

 園内のバラの中でも、目を引くのは美しく仕立てられたつるバラ。春、花をつけたばかりのつるバラの花茎は柔らかく、花が少しうつむき加減に咲くのが何とも優しげな風情です。その代表的な品種がピエール ドゥ ロンサール。カップ咲きで、幾重にも重なる花弁の中心がピンクに色づき、愛らしくも優雅な姿に魅了されます。

 他にもドイツ生まれの白バラ・シュネーヴィッチェン(アイスバーグ)や真紅のアンクル ウォルター、黄色のグラハム トーマスなどのつるバラもお見逃しなく。

 バラの花を観賞する際、色や形に心奪われるのはもちろんですが、もう一つ関心を向けていただきたいのが香り。さまざまな種類があり、とても奥が深いのです。中之島バラ園にはさまざまな香りが楽しめるバラが数多く植えられています。今年の春は、花の色や姿を楽しむだけではなく、かぐわしいバラの香りもぜひご堪能ください。

中之島バラ園

大阪市北区中之島1丁目1
入園料:無料
お問い合せ:扇町公園事務所
TEL 06-6312-8121

和菓子の老舗も春爛漫 -駿surugaya-

左から夜の梅・黒糖珈琲・抹茶ピスタチオ・焦がしキャラメル・瀬戸田レモン・煉羊羹。

 JR東西線大阪天満宮駅から徒歩3分。北区紅梅町に、大阪本家駿河屋の新ブランドとして2021年10月に誕生した「駿(しゅん)surugaya」南森町本店があります。

 駿河屋の歴史は古く、1461(寛正2)年、岡本善右衛門が京都伏見で創業したことに始まります。1589(天正17)年、四代目善右衛門が日本で最初に煉羊羹を作り、豊臣秀吉に献上。聚楽第じゅらくだいで秀吉が開いた大茶会ではこの煉羊羹が配られ、諸大名から賞賛された駿河屋は、煉羊羹の元祖としてその名を知られることになりました。

 大阪本家駿河屋は1837(天保8)年、大阪の地にのれんを掲げてから百八十有余年になります。

「羊羹の元祖」駿河屋だからこそ作り得た「進化形YOKAN」

 羊羹の進化形「小形羊羹(MINI YOKAN)」は、スティックタイプの食べきりサイズ。黒糖珈琲は沖縄・波照間産の黒糖とニューヨークのブルックリンロースティングカンパニーのコーヒー、瀬戸田レモンは沖縄・宮古島の雪塩と広島・瀬戸田のレモン、抹茶ピスタチオは京都・老舗茶舗の高級抹茶とイタリアシチリア産ピスタチオペーストにフランス産フランボワーズなど、羊羹を知り尽くした老舗ならではの絶妙な味のコラボレーションが楽しめます。

 また、ざらめ糖を使う駿河屋の羊羹はあっさり、さっくりした風味と食感が特徴。甘さを控えた味が現代の感覚ともマッチして、お茶はもとより珈琲や紅茶、ワインや日本酒、ブランデーなどにも合う全く新しいタイプの羊羹です。

上段、左からラムネ・紫いもバター・栗。 下段、左からハニージンジャー・いちご紅茶・アップルシナモン。

 去年(2022年)の末からは「小形羊羹(MINI YOKAN)」に新ラインアップも登場。はんなりと柔らかな色遣いの6種類は、ラムネ・紫いもバター・栗・ハニージンジャー・いちご紅茶・アップルシナモン。そのバリエーションの豊富さに、どれを選ぶか迷ってしまうほど。進化と革新を遂げた新感覚でリュクスな味わいの「YOKAN」、おもたせやプレゼントにしても喜ばれること請け合いです。小形羊羹(MINI YOKAN)は1個¥378。

春限定の桜菓子

 「玄(SHIZUKA)〜桜〜」は桜の季節限定品。1番上のピンクは桜、真ん中の白は豆乳、1番下の緑は桜葉と3種類の風味が楽しめる葛菓子です。ふるふると揺れる葛菓子ならではの食感と桜の香りに春の訪れが感じられます。

 「さくら最中」も、この時期だけにお目見え。パリッとした食感が特徴の最中の皮は、国産のもち米を使った最高級のもので、白あんに桜葉を散らした「桜あん」との相性が抜群です。小ぶりの最中の皮にはsurugayaの焼き印が入っています。

 こちらは「生粒なまつぶ羊羹どら焼」。こだわりのどら焼きの皮に北海道産大納言小豆の大きな粒餡をたっぷり挟んでいます。餡の美味しさを最大限に引き出すために糖度を50度に抑え、軽い甘さに。見た目のインパクトもあり、大好評の一品です。「生粒羊羹どら焼」は1個¥400(店舗限定)。

 伝統をしっかりと受け継ぎながら、次の百年も駿河屋を楽しんでいただきたいという願いを込めて作られた大阪本家駿河屋の新ブランド「駿surugaya」。大阪を代表する和菓子店が創り出す新しい味を、ぜひご賞味ください。

駿surugaya 南森町本店

大阪府⼤阪市北区紅梅町2-17
TEL 06-6354-3333
平日 10:00~18:00 土日祝 10:00~17:00 不定休

※特に記載のない場合、料金は税金・サービス料を含みます。
※各施設、営業時間に変更のある場合がございます。ご利用の際はご確認ください。
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