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水の都・広島 開運パワースポット巡り

リーガロイヤルホテル広島から始まる旅

 太田川のデルタに広がる「水の都・広島」。川や海に囲まれたこの街には、古くから人々の願いを受け止めてきた神社や寺院が数多くあります。

 今回は、広島在住の編集者・ライターの前岡 侑希まえおか ゆきさんが、リーガロイヤルホテル広島を起点に、市街地から船で宮島へ向かう開運ルートをご紹介します。

 勝運や心願成就など、それぞれ異なるご利益をいただきながら、水辺の美しい景色や広島の歴史に触れる一日旅。心も運気もリフレッシュできる、とっておきのコースへ出かけてみませんか。

旅の始まりは、広島の守り神「廣島護國神社」

写真提供/廣島護國神社
復興を遂げた広島の歴史とともに歩んできた神社。厄払い、初詣、七五三など、人生の節目には多くの広島人が足を運ぶ、まさに「広島の氏神さま」のような存在です。

 リーガロイヤルホテル広島から徒歩約5分。旅の最初に訪れたのは、広島城跡に鎮座する「廣島護國神社」です。広島城の二の丸を抜けると、大きな鳥居が迎えてくれます。街の中心にありながら、境内は驚くほど静か。凜とした空気に包まれ、自然と心が落ち着きます。まずは深呼吸をして、これから始まる旅の安全を祈願しましょう。

 「廣島護國神社」は、広島東洋カープの選手や監督がシーズン前に必勝祈願を行うことでも知られ、「勝運」の神社として親しまれています。スポーツだけでなく、受験や就職、仕事など、大切な節目を迎える多くの人が参拝に訪れます。

 創建は1868(明治元)年。戊辰戦争で亡くなった人々を祀る「水草霊社」として始まり、その後の戦争や事変、原爆の犠牲となった動員学徒や女子挺身隊ていしんたいを含む、約9万2千柱の御霊が祀られています。神社は時代とともに場所や名前を変えながら歩みを重ねましたが、1945(昭和20)年8月6日の原爆によって社殿は焼失しました。それでも祭祀は絶えることなく続けられ、市民の支えによって1956(昭和31)年、現在の広島城跡に社殿が再建されました。

 戦後の復興とともに歩み続けてきた「廣島護國神社」は、広島の歴史を今に伝える大切な場所でもあります。

歴史を受け継ぎ、新しい文化を育む社「空鞘稲生神社」

 次に訪れたのは、「廣島護國神社」から歩いて約15分の場所にある「空鞘稲生神社そらさやいなおじんじゃ」。平安時代の創建と伝わる歴史ある神社ですが、境内ではマルシェやイベントも開かれ、若い世代にも親しまれています。御祭神は「五穀の神様」として知られる三柱。食べ物や自然の恵みに感謝し、人々の命や暮らしを見守る神様が祀られています。毎日の「いただきます」の大切さを、改めて感じられる神社です。

まずは手水舎で身を清め、本殿へ。

 参拝を済ませた後は、境内に点在する三つの末社を巡るのがおすすめです。「恵美須神社えびすじんじゃ」は商売繁盛や家内安全、「幸神社こうじんじゃ」は開運や道開き、「稲生神社いなおじんじゃ」は五穀豊穣や商売繁盛と、それぞれ異なるご利益を授かることができます。

「恵美須神社」の御祭神は、事代主命(ことしろぬしのみこと)。商売繁盛や家内安全の神様として信仰されています。
「幸神社」の御祭神は猿田彦大神(さるたひこのおおかみ)。本社と同じく創建から493年を迎える歴史ある神社で、道開きや開運の神様として親しまれています。
「稲生神社」の御祭神は宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)。五穀豊穣や食の恵みを司る神様として信仰されています。

 境内でひときわ目を引くのが、被爆樹木のクスノキ。原爆で焼けた親木から芽吹き、地域の人々に大切に育てられた後、この場所へ移植されました。力強く枝葉を広げる姿は、復興と命の象徴。そっと幹に手を添えると、不思議と元気をもらえるような気持ちになります。

 御朱印も人気の一つ。通常は本殿と三つの末社を合わせた全4種類があり、季節や祭りに合わせた限定デザインも頒布されています。御朱印巡りを楽しみに訪れる参拝者も少なくありません。

こちらは定番の御朱印(各種¥500)。

 さらに注目したいのが、神社オリジナルの日本酒「一味神水いちみしんすい」。広島の米農家、杜氏、神主という若手3人が力を合わせて生み出した1本です。使用する酒米や醸造方法は毎年見直され、その年ならではの味わいを楽しめるのも魅力。

一味神水(¥2,700)は「空鞘稲生神社」で購入できます。

 歴史や祈りを大切にしながら、新しい文化も育てている「空鞘稲生神社」。広島らしい「受け継ぐ力」と「未来へつなぐ力」を感じられる場所でした。

宮島へは、景色も楽しめる船旅で

「ひろしま世界遺産航路」で運航する船は、市内の低い橋の下を通れるよう高さを抑えた特別な造り。広島の川と海を結ぶ、この街ならではの乗り物です。

 水の都・広島を満喫するなら、ぜひ体験したいのが船旅です。平和公園前から「ひろしま世界遺産航路」に乗れば、約45分で宮島へ。市街地を流れる川から瀬戸内海へと景色が移り変わり、水辺の風景を眺めながら目的地へ向かう時間も、この旅の楽しみの一つです。

 市内を流れる川では、自転車ほどのゆったりとした速度で運航。安全な場合はデッキに出ることもでき、川沿いの街並みを眺めたり、橋をくぐり抜けたりと、広島ならではの景色を間近に楽しめます。歩道を歩く人と手を振り合う、そんなほほ笑ましいひとときに出会えることも。 

 市街地を抜けると、船は瀬戸内海へ。潮風を感じながら、瀬戸内海に浮かぶ美しい島々の景色を眺めつつ宮島へ向かいます。「ひろしま世界遺産航路」なら、目的地へ向かう時間さえ、特別な思い出に変えてくれます。

 なお、運航は潮の満ち引きの影響を受けるため、潮位によってはルート変更や欠航となる場合があります。お出かけ前に当日の運航状況を確認しておくと安心です。

朱の社殿と海が織りなす、祈りの世界遺産「嚴島神社」

写真提供/広島県
宮島に到着すると、朱塗りの大鳥居がゆっくりと姿を現します。海に浮かぶように建つ社殿は、広島を代表する絶景です。

 「嚴島神社」の創建は593(推古天皇元)年と伝えられ、平安時代末期には平清盛によって現在の寝殿造を取り入れた壮麗な社殿が造営されました。その後も源氏や足利氏、大内氏、毛利氏など、時代を代表する武将たちの厚い崇敬を受けながら受け継がれ、1996(平成8)年にはユネスコの世界文化遺産に登録。日本三景「安芸の宮島」として、今も国内外から多くの人が訪れています。

 御祭神は、市杵島姫命いちきしまひめのみこと田心姫命たごりひめのみこと湍津姫命たぎつひめのみことの三女神。古くから海上交通の守護神として信仰され、現在では交通安全や家内安全、商売繁盛、心願成就など幅広いご利益があるとされています。

 社殿は、潮の満ち引きを巧みに利用した世界でも珍しい海上建築です。満潮時には海に浮かんでいるように見え、干潮時には大鳥居のすぐそばまで歩いて行くことができます。同じ場所でも時間によって異なる表情を見せてくれるのは、「嚴島神社」ならではの魅力です。

写真提供/広島県
回廊をゆっくり歩くと、足元から伝わる木のぬくもりと、瀬戸内海を渡るやさしい風が心地よく感じられます。

 朱色の柱越しに広がる海と山の景色は、まるで一枚の絵画のよう。慌ただしい日常を忘れ、自然と心が穏やかになっていきます。歴史ある社殿、美しい景観、そして島全体を包む神聖な空気。そのすべてが調和した「嚴島神社」は、広島を訪れたならぜひゆっくりと時間をかけて参拝したい、日本を代表するパワースポットです。

開運体験が詰まった、宮島最古の寺「大聖院」

 「嚴島神社」を参拝したら、ぜひ足を延ばしたいのが「大聖院」です。宮島で最も古い歴史を持つ寺院で、真言宗御室派の大本山。弘法大師・空海が唐から帰国後、弥山で修行を行ったことをきっかけに、806(大同元)年に開かれたと伝えられています。

 皇室とのゆかりも深く、鳥羽天皇の勅願寺として栄えたほか、豊臣秀吉が茶会を開き、明治天皇の宮島行幸では御宿所にもなった格式ある古刹です。「日本三大厄除け開運大師」の一つとしても知られ、厄除けや開運を願って全国から多くの参拝者が訪れます。

 参道には赤い帽子と前掛けを身に着けた愛らしいお地蔵さまたちが並びます。一体一体表情が異なり、思わず足を止めて眺めたくなります。

 境内の一番高い場所にある大師堂には、「一願大師」が祀られています。その名の通り、願い事は一つだけ。心を込めて願いを唱え、絵馬を奉納すれば、その願いをかなえてくださると伝えられています。

 大師堂の下にある「遍照窟へんじょうくつ」もぜひ。四国八十八カ所霊場の本尊が祀られ、各霊場のお砂が納められています。その上を歩くことで、四国遍路と同じ功徳が得られると伝えられています。柔らかなランタンの灯りに包まれた幻想的な空間は、まるで別世界のようです。

 続いて体験したいのが、本堂地下にある「戒壇めぐり」。真っ暗な通路を左手で壁をたどりながら進み、本尊・十一面観世音菩薩へと向かいます。何も見えない闇の中を歩くことで自分自身と向き合い、心身を清める修行とされています。少し緊張しますが、歩き終えた後には心がすっと軽くなるような感覚を味わえます。

真っ暗で何も見えない中、どきどきしながら左手で壁を伝って歩くと、ぼんやりと観音様の姿が浮かび上がります。

 時間に余裕があれば、観音堂で行われる座禅体験もおすすめです。住職の話を聞きながら姿勢や呼吸を整え、5分ほど座禅を組んだ後に休憩を挟み、さらに10分。初めてでも無理なく体験できる内容なので、座禅入門にもぴったり。

静かに自分と向き合う時間は、旅の途中とは思えないほど心を穏やかにしてくれます。座戦体験は所要時間30分(¥1,000)。9:00~14:00。要予約。

 参拝の締めくくりは御朱印。季節ごとに授与される切り絵御朱印は、季節の彩りを繊細に表現した美しい一枚。思わず「かわいい!」と見入ってしまいます。

(写真左)夏限定切り絵御朱印「摩尼殿と雲海」。雲海に包まれた摩尼殿と、その先に広がる瀬戸内海を幻想的に描かれる。空から海へとつながる、宮島の神秘的な風景を表現しています。(写真右)夏限定切り絵御朱印「陽曼荼羅」。夏の陽射しを浴びて咲く向日葵を、曼荼羅の意匠と重ねた華やかな切り絵御朱印。向日葵が持つ希望や生命力、広がるご縁への願いが込められています。(夏限定の切り絵御朱印は売り切れ次第終了。いずれも¥1,500)

風と歴史に包まれる、宮島の特等席「千畳閣」

 最後は、私が宮島で一番好きな場所「千畳閣」へ。豊臣秀吉の命により、安国寺恵瓊が建立を始めた大経堂で、正式名称は「豊国神社」。約857畳もの畳を敷けるほどの広さがあることから、「千畳閣」の名で親しまれています。しかし、秀吉の急逝によって工事は中断され、現在も未完成のままの姿を残しています。

 堂内には、「嚴島神社」の大鳥居再建工事で使われた尺杖や、天井いっぱいに奉納された色鮮やかな絵馬が残され、長い歴史の重みを感じさせてくれます。

厳かな空間に身を置いていると、自分の存在の小ささを感じます。
季節ごとに異なる景色が楽しめるのも魅力です。

 ここでは、ぜひ板張りの床に腰を下ろしてみてください。高台を吹き抜ける風が本当に心地いいです。目を閉じると、何百年もの時を超え、この建物が今もここにあり続けることの尊さに、しみじみと思いを巡らせます。気づけば、宮島散策の疲れもすっかり忘れてしまいます。

一度座ると立ち上がるのが惜しくなり、もう少しだけ…とつい長居してしまいます。

 広島は、太田川が運ぶ豊かな水に育まれ、発展してきた街です。川辺を歩き、船に乗り、海を渡り、神社や寺院で手を合わせる——。そんな広島らしい一日を過ごすだけで、心が少し軽くなり、新しい一歩を踏み出せる気がしました。水の都ならではの開運旅へ出かけてみてください。

写真/福角 智江(空鞘稲生神社、大聖院、千畳閣)

リーガロイヤルホテル広島

TEL 082-502-1121
広島市中区基町6-78

【DATA】

廣島護國神社

広島県広島市中区基町21-2
TEL 082-221-5590
拝観料:無料

リーガロイヤルホテル広島から徒歩約5分。

 

空鞘稲生神社

広島県広島市中区本川町3-3-2
TEL 082-231-4476

拝観料:無料

リーガロイヤルホテル広島から徒歩約20分。

 

ひろしま世界遺産航路(アクアネット広島)

TEL 082-240-5955
運航時間:時刻表による(所要約45分)
年中無休(荒天時運休あり)
乗船料:大人(中学生以上)片道¥2,400・往復¥4,400、小学生は半額
※別途、宮島訪問税100円(宮島訪問者)

 

嚴島神社

広島県廿日市市宮島町1-1
TEL 0829-44-2020 6:30~18:00(季節により変動)

昇殿料:大人¥300、高校¥200、小・中学生¥100

リーガロイヤルホテル広島からもとやす桟橋へ(徒歩約15分)、もとやす桟橋から広島公園発宮島行き、宮島行き遊覧船「ひろしま世界遺産航路」乗船(約45分)。

 

大聖院

広島県廿日市市宮島町210
TEL 0829-44-0111 8:00~17:00

拝観料:無料
※座禅体験などは一部有料・要予約

嚴島神社より徒歩約10分。

 

千畳閣

広島県廿日市市宮島町1-1
TEL 0829-44-2020 8:30~16:30

昇殿料:大人¥100、小・中学生¥50

嚴島神社本殿より徒歩約3分。

ー 旅する人 ー

前岡 侑希さん

タウン情報誌の副編集長、サンフレッチェ広島の販促物制作ディレクターを経て独立。現在は、自動車メーカーの労働組合機関誌や旅行系全国誌などで、編集・ライティングを手掛ける。国立大学法学部夜間コースに通う現役大学生でもあり、仕事と学業を両立。日本酒、温泉、猫が好き。

※特に記載のない場合、料金は税金・サービス料を含みます。
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