LIFE

国内外の要人をサポートするリエゾン

The ROYAL ISM ザ・ロイヤルイズム

ホテルのさまざまな分野で活躍するスタッフの現場の風景やエピソードを伺いました。

イラスト/千秋 育子

 リーガロイヤルホテル(大阪)では、国際会議に参加する各国首脳らの宿泊先に選ばれた際にはさまざまな準備を行います。そのひとつがリエゾンチームの結成です。
 リエゾンは“連携”や“橋渡し”を意味するフランス語。国際会議の開催中、各国の要人がホテル内で安全に過ごせて、かつ滞りなく任務が遂行できるようにサポートを行います。チームは接客業務のスタッフもいれば、広報などの管理部門のスタッフなどさまざまで、会議の内容や規模に合う人員をその度ごとに招集します。今回は、G7やG20など、計5回のリエゾン経験を持つはりつじ真澄ますみさんにお話を伺いました。

「リエゾンは、自分が担当するdelegation(代表団)の予定がスムーズに進むように、外務省や警察の担当者と連携を取りながら、あらゆる場面を想定して準備を整え、対応します。その内容は、移動時は常にセキュリティを考慮した導線で案内することのほか、ご要望に応じた食事の用意やモーニングコール、急な会議の会場の手配など多岐にわたります」
 相手の国の文化的背景に対する配慮や語学力はもちろんのこと、何より求められるのはコミュニケーション能力。思わぬハプニングにも笑顔を絶やさずに対応できる行動力や判断力も不可欠で、しかもその責任は重大です。
「でも、無事に役目が終えられた時の達成感はひとしお。次も声を掛けてもらえることがあれば頑張ろうと思える瞬間です」
 滞在中にお客様が安心して快適に過ごせるように心を砕くのはホテリエにとっては日常のこと。リエゾンとしてのさまざまな経験から体得したことは、日々の接客にフィードバックできるというのが経験者に共通する思いだそうです。
「大阪の政財界の方々の期待が込められて誕生し、お客様に育てていただいたのがロイヤルホテル。だから、地元で開かれる大きなイベントでは、大阪、地域の役に立つために、その裏側で力を尽くすことは使命だと思っています」
“ロイヤルホテルの一員として役目を果たしたい!”との気概を持って、リエゾンチームへの参加を希望するスタッフも年々増えているそうです。2025年の大阪・関西万博に際しても、ロイヤルホテルのリエゾンの活躍が期待されます。

(文/小林 明子)

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