GOURMET

本格的なホテルの味を、いつでも手軽にご家庭で

美味探訪 Vol.5

リーガロイヤルホテル ホテル製品事業部 料理長 五嶋 啓太ごとう けいた

 半世紀にわたり“リーガロイヤルホテルの味”として親しまれてきた「海の幸のピラフ」が冷凍食品「シーフードピラフ」として販売。完成には約2年の歳月が費やされました。そこには、ホテルのさまざまな部門で“ホテルの味”を追求してきた、料理長 五嶋 啓太の経験やスキルが活かされています。

宿泊の目的になるほどの名物とは

 身の詰まったズワイガニの爪と脚肉、プリプリの海老や帆立貝柱、殻付きのアサリなどを、ライスが見えなくなるぐらいたっぷりトッピング。「その旨みや甘みがしみ込んだ、香り豊かなバターライスとの一体感がたまらない」とのお声を良くいただく「海の幸のピラフ」が誕生したのは1977年。リーガロイヤルホテル大阪の当時のレストランシェフによって考案されました。

 以来、「このピラフを味わうためにホテルに泊まる」とおっしゃるお客様もいるほどの名物として、半世紀にわたって愛され続けています。

冷凍「シーフードピラフ」誕生秘話

 「グルメブティック メリッサ」でもテイクアウト商品として「シーフードピラフ」を販売していましたが、遠くに住んでおられる方にも気軽に味わっていただきたくて、2022年から冷凍「シーフードピラフ」の開発を始めました。私がホテル製品事業部の料理長に就いた直後のことです。

 ところが試作をどれだけ繰り返してもピラフ米のふっくら感が再現できず、一旦は開発を中止することに。どこに問題があるのだろうと検証を進めるうち、海老・帆立貝柱・かに・ムール貝などの具材の水分量がポイントかもしれないと思いつきました。そこで、シーフードの種類ごとに火入れの加減を変えて試作を再開。ご家庭のレンジで温めていただく際、具材から出る水分でバターライスを蒸す感覚でふっくら食感を出すことに成功しました。一方で余分な水蒸気は放出できるよう、容器は蓋に小さな穴があるタイプをセレクト。隠し味として加える味噌の種類を変え、ショウガや醤油などの量も調整しました。

 その結果、ようやくコクと旨みがあふれる上品な“伝統の味”が完成。「グルメブティック メリッサ」とオンラインショップで販売できるようになるまで、2年近い歳月を要しました。

冷凍「シーフードピラフ」¥2,484(税込)。

国内外での経験を生かして

 私は1984年にロイヤルホテルに入社しました。リーガロイヤルホテル大阪の「レストラン ガーデン」で従事し、当時、多くのお客様から支持を受けていた松本料理長の元で5年余りにわたって料理の基本を学びました。その間、パティシエ、オードブル、魚料理、肉料理、炭焼きグリルの担当を経験。宴会調理部に異動後は主にソース作りを担当する重要なポジションであるソシエとして6年近くを過ごすことに。29歳の時にフランス留学も経験し、シャンパーニュ地方の三ツ星レストランで料理やサービスの研修を受けました。

フランス海外研修先はシャンパーニュ地方ランスの三ツ星レストラン「レ・クレイエール」。同僚の調理スタッフと。
1998年、カナダ食材を使った料理コンテストの東京本選では全国3位。

 1999年には、大阪大学医学部付属病院内「スカイレストラン」と大阪大学吹田キャンパスにある「レストラン ミネルバ」の2店のシェフに就任し、幅広いお客様に喜んでいただけるメニューを考える難しさと楽しさを学びました。2007年からはリーガロイヤルホテル京都へ。「懐石フランス料理 グルマン橘」のシェフなどを経て、総料理長に就任。計40年以上にわたり、様々な部門でホテルの味を追求して参りました。

 そんな経験が今、「グルメブティック メリッサ」に並ぶ商品の開発に活かされています。伝統を継承しつつ、時代のニーズに合わせてブラッシュアップを繰り返し、より美味しい商品の開発を続けること。それが多くのお客様に支持される所以であると確信しています。

お客様や次世代の意見も取り入れて

 マルシェのような感覚で買い物が楽しめる「グルメブティック メリッサ」の店内には、パティシエの技が光るアートのようなケーキやバラエティ豊かなパン、ギフトにも向く焼き菓子、素材から厳選したスモーク製品や和洋中のお総菜など、ホテルメイドの味が並び、その数は約300種類以上。いずれの商品についても、味はもちろん、品ぞろえやバリエーションについても常に見直してより良い商品を追求しています。味の調節がしやすいよう、別添えにしているサラダのドレッシングや肉料理用のソース類の容器などについても、お客様からのご感想や若い料理人の発想を積極的に取り入れています。

 例えば、人気の「マーケットサラダ」は2025年秋に容器をリニューアル。10種類もの具材を一度に味わうことができて、市場のような楽しさを感じられる贅沢なサラダで、今まではフレッシュ野菜の上に直に具材を乗せていましたが、仕切り用のプレートを置き、ローストビーフやスモークサーモンが直接触れて味や香りが移らないように改良しました。「仔羊のロースト クスクス添え」も遊び心のあるスキレット型の容器を使っています。

 私たちのモットーは、見た目に美しく、食べて本当に美味しい商品で喜んでいただくこと。これからも厳選した食材と家庭では真似のできない調理法で作る新作を意欲的に開発し、ホテルならではの味でお客様に笑顔をお届けいたします。

リーガロイヤルホテル
ホテル製品事業部 料理長 五嶋 啓太

1984年、徳島県立小松島西高等学校食物科卒業。同年、株式会社ロイヤルホテル入社。リーガロイヤルホテル大阪の「レストラン ガーデン」で従事後、松本料理長のもと料理の基礎を学ぶ。その後、米津春日総料理長、宮川料理長のもとウエディング、パーティー料理を担当。1995年には、フランス海外研修へ。シャンパーニュ地方三ツ星レストラン「レ・クレイエール」でボワイエ氏に料理、サービスを学ぶ。帰国後はリーガロイヤルホテル大阪の「レストラン シャンボール」に着任。1999年、大阪大学内「レストラン ミネルバ」と「スカイレストラン」の2店のシェフを兼務。その後、リーガグランドホテル料理長、リーガロイヤルホテル京都総料理長、リーガロイヤルホテル東京総料理長を経て2021年よりリーガロイヤルホテル ホテル製品事業部料理長として主に「グルメブティック メリッサ」の商品開発を担当。

取材・文/小林 明子

リーガロイヤルホテル大阪 ヴィニェット コレクション
グルメブティック メリッサ

TEL 06-6448-2412(直通)

大阪市北区中之島5-3-68 1階

10:00~19:00

年中無休

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