
ひろしまスタジアムパーク探訪
広島の“今”を感じる旅
リーガロイヤルホテル広島からはじまる旅
広島市民の新たな憩いの場として誕生した「ひろしまスタジアムパーク」。サッカー専用スタジアム「エディオンピースウィング広島」を中心に、緑豊かな広場や個性あふれるグルメスポットが並び、試合がない日でも多くの人でにぎわう交流の拠点となっています。
今回は、広島在住でスポーツからグルメまで幅広く取材してきたライターの前岡侑希さんが、「ひろしまスタジアムパーク」の多彩な楽しみ方をご紹介します。
緑がそよぎ、水がきらめく、街なかのオアシス
2024年8月に開業した「ひろしまスタジアムパーク」。リーガロイヤルホテル広島から歩き始めてすぐ目に飛び込んでくるのが、大空に羽ばたく翼をイメージした屋根が印象的な「エディオンピースウィング広島」。その手前には「芝生ひろば」があり、思わず深呼吸したくなるような開放感…! 街中にいるとは思えないほどの心地よさが広がります。
ここでの過ごし方は十人十色。シートやチェアを借りて芝生でのんびりピクニックを楽しんだり、遊具をレンタルして思いっきり体を動かしたり。手ぶらでふらっと訪れても、思い思いの時間が過ごせるのがこの場所の魅力。私自身も、ついつい足を運びたくなる、お気に入りのスポットです。
心ときめく美味や癒しの空間と出会う、大人の休日
芝生ひろばに着いて、まず向かったのが「DOUBLE FLAT Hiropa!店」。Instagramで見かけた色とりどりのパフェやクレープがずっと気になっていて、今回ようやく訪れることができました。
青果店出身のオーナーが、広島をはじめ全国の生産者とつながりながら、果物の卸売とスイーツの提供を手がけています。ここで扱う果物は、どれも“おいしい瞬間”を逃さずに届けることを大切にしていて、果物をジャムやソースにアレンジする使い方や食べごろの見極めといった、プロならではの知識が活かされています。たとえば、ひと口に苺といっても、酸味の強いもの、甘さが際立つものなど実にさまざま。スイーツの用途に合わせて仕入れを工夫し、最適な調理法で提供しているそうです。
いちじく好きの私が特にうれしかったのは、5月から長く楽しめるということ。いちじくは旬が短いイメージがありますが、こちらでは時期ごとに産地を変えて仕入れているため、季節をまたいで味わうことができます。取材に訪れた5月には愛知県産を使用。6月中旬〜8月には広島県産のいちじくが登場する予定とのこと。大好きないちじくを、こんなに長く楽しめるなんて、本当に幸せ。
次に訪れたのは、「Bene-Tre」。コンセプトは、ビジネスマンの心と身体をととのえる空間で、書斎ラウンジ・フィットネス・サウナを備えた、ちょっとユニークな複合施設です。
一歩足を踏み入れると、外の喧騒を忘れて、ゆったりとした時間が流れます。90分¥1,980からとリーズナブルな価格で、すべてのコンテンツを自由に利用できるのも魅力。「ちょっとひと息つきたい」「旅先でも体を動かしたい」など、そんな時にもぴったりの場所です。
もうひとつ、ぜひ注目したい店舗が「kiondひろしま」です。遊んで・学んで・くつろげる、体験型の木育スポット。小学生以下の子どもが遊べるプレイパークには、ヒノキやスギなどを使ったジャングルジム「モッキンガム」や、すべり台、木のおもちゃがいっぱい。木の香りがふんわり漂う空間は、大人もほっとできるやさしい場所です。
カフェや木雑貨ショップも併設されていて、広島で生まれた木の製品やお土産にぴったりなアイテムがずらり。自然や広島の文化にふれられるワークショップも人気で、「箸づくり体験」や「ミニスマートボール作り」は前日までに予約すれば体験できます(定員に達し次第、予約受付終了)。
店舗前には、射的やスマートボール、輪投げが楽しめる縁日が並びます。命中する度に「カランカラーン!」と鐘を鳴らしていただけるので、思わずテンションが上がり、大人も童心に返って夢中に! 入った数に応じて、雑貨やおもちゃなどの景品をゲットできます。
広島城の勇姿を見て、歴史ロマンを感じる
ひろしまスタジアムパークの後には、ぜひ「広島城」にお立ち寄りを。ひろしまスタジアムパークからペデストリアンデッキと言われる歩行者専用橋を東に進むと、水をたたえた内堀の向こうに、豊かな緑に囲まれて凛と佇む天守が見えてきます。
広島城の天守は、1958年に再建されたもの。広島の歴史や文化を伝える博物館として親しまれてきましたが、耐震性能の問題により2026年3月22日で閉城が決定。天守の中に入れるのは、あと少しです。
現在、企画展「広島城と基のまち」を開催中。広島城を中心に文化の礎を築き、戦後復興の象徴的な舞台となった基町の変遷を紹介しています。ひろしまゲートパークやひろしまスタジアムパークも、かつての城内、基町に位置します。歴史に思いを馳せながら、広島の“はじまりの地”を歩いてみてください。
ペデストリアンデッキを降りると、注目のスポット「広島城三の丸」が。2025年3月にオープンしたここは、広島の歴史と文化を五感で楽しむ複合施設。広島の⾷を楽しめる飲⾷店、茶道・弓道といった日本文化に触れられる体験型の店、広島のお土産や逸品が揃うセレクトショップなど5店舗が並びます。広島城天守内の刀剣や甲冑などの収蔵品はこのエリアに開館予定の「広島城三の丸歴史館」で展示されます。
広島城三の丸を東に進むと、広島城二の丸が迎えてくれます。木造の御門橋の向こうには、伝統工法で復元された表御門や多門櫓、平櫓、太鼓櫓などが並び、江戸時代の風情を醸し出しています(観覧無料)。
三の丸、二の丸、本丸と進み、いよいよ大天守へ。天守の最上層からは広島の市街地が一望でき、晴れた日には宮島が見えることも。400年あまりの時を経て、今なお変化し続ける広島の歴史を感じるひとときです。
旅の締めくくりは、新しくなった広島駅ビル「minamoa」で
旅の締めくくりは、2025年3月に全面オープンした駅ビル「minamoa」へ。館内には飲食店やアパレルなど200店舗以上が凝縮。屋上には「ソラモア広場」があり、憩いのスペースとなっています。
1階の「おみやげ街道」では、銘品やトレンドのお土産も揃うので、旅の余韻にひたりながら広島ならではの逸品を探してみてください。また、2階フロアは新幹線口と直結しており、アクセスもスムーズです。
さらに、2025年8月には、路面電車の新ルート「駅前大橋線」が開通予定。駅の高架上に路面電車が乗り入れるのは、全国でも初の試みです。これによって、「ひろしまスタジアムパーク」や「広島城」がある広島中心部とのアクセスが格段にスムーズになります。
広島は今、日々進化の真っ只中。過去に広島を訪れたことがある方も、その変化にきっと驚くはずです。暮らしている私でさえ、その変貌ぶりに目を見張ります。変わり続ける広島を、ぜひ思いきり楽しんでくださいね。
写真/中野 一行(kiondひろしま)
篠原 ゆき(ひろしまスタジアムパーク、DOUBLE FLAT 、アスレチック)
【DATA】
DOUBLE FLAT Hiropa!店
広島県広島市中区基町15-1 HiroPa 1階
TEL082-909-2313
11:00~17:00・LO/16:20
不定休
Bene-Tre
広島県広島市中区基町15-1 HiroPa 1階
TEL082-553-1411
9:00~23:00
第2・4木曜休(変動あり)
kiondひろしま
広島県広島市中区基町15-1 HiroPa 1階
TEL082-225-7482
11:00~18:00(土日祝10:00~)
※エディオンピースウイング広島ナイトゲーム開催日は、18:30まで営業
木曜休
体験ワークショップの予約は下記参照
広島城天守
広島市中区基町21番1号
観覧料:大人¥370、シニア・高校生相当¥180、中学生以下は無料
TEL082-221-7512
9:00~18:00(季節により終了時間が変動)
12/2(火)・年末休
広島城三の丸
広島県広島市中区基町21番地 7-2
営業時間・店休日は店舗によって異なる
広島城二の丸
広島市中区基町21番
観覧料:無料
TEL082-221-7512
9:00~17:30(季節により終了時間が変動)
12/2(火)・年末年始休
minamoa
広島県広島市南区松原町2-37
営業時間は店舗によって異なる

リーガロイヤルホテル広島
TEL 082-502-1121
広島市中区基町6-78
ー 旅する人 ー

前岡 侑希さん
タウン情報誌の副編集長、サンフレッチェ広島の販促物の制作ディレクターを経て独立。現在は、自動車メーカーの労働組合機関誌や、近年SNSで大バズリした安芸高田市の広報誌を中心に、編集者・ライターとして活動中。国立大学法学部夜間コースに通う現役の大学生でもある。ライフワークは日本酒、温泉、猫、水彩画。
※特に記載のない場合、料金は税金を含みます。
※各施設、営業時間に変更のある場合がございます。